なんか、芝居を、している。
こういうこと書くと「いつまでも『僕なんて俳優じゃないですー』みたいなポーズやめろや」とか怒られそうだが、実際のところの事情として実感しているのは事実なのだ。
仕事して、コントレックスでかける新ネタ『ハイベン』の稽古して、終わり次第その足で『Short Cuts2』の稽古へ。短編ながら3本の芝居を並行して稽古しているわけだ。慣れないことをやっているのだ、「なんだそれ、マジかよ」とくらい思わせてくれ。
その人の固有の武器、「持ち物」がエンターテイメントになる瞬間は、珍しく稽古が楽しくなる。そんなことタマにしかないけど、今日の稽古のハシゴの中で、どちらでもその瞬間に立ち会えた気がする。
まあ、大体の人間は「持ち物」なんて持ってねえんだけど。たとえ持っていてもエンターテイメントとして発現できるなんては更に稀なんだけど。
おっさん臭いことを書くと(今日『若く見える』と仕切りに言われたので余計に言いづらいが)、おれは器用で達者なバイプレイヤーより、唯一無二しか持ってない特攻野郎と芝居する方が、単純に楽しいのだ。あと直向きさくらいあれば、それでいいのだ。
ま、おれの「楽しさ」なんて芝居のクオリティにはそんなに関係ないのだけど。
でもまあ、「いつもの」と「はじめて」の間を行ったり来たりしつつ、想像していたよりずっと楽しませてもらっている。
ま、あとは、結果だよね。芝居なんだから。エンターテイメントなんだから。
ただ、これは『Short Cuts』のことだけど、そして更にオヤジ臭い余計なお世話だけど、この「演劇界」とやらに足を踏み入れてくれた彼女に、なんかは持ち帰って欲しいのよね。そこは共演者として。末端とはいえこの世界の住人(まだまだ居心地悪いけどなっ!)として。
そして願わくば、その持って帰る「持ち物」が「ウケたという経験」だと素敵よね、とか思うのだ。だっておれは"コメディ俳優"だもの。あの気持良さは、他人より知ってるから。
いかんなあ、慣れないことやっていると柄でもなくなる。
【関連する記事】